main-bkgrd-img
Top
background
design overlay
?????????????

?????????????

Sharing Tools

Link copied!

By Bryan Hartzheim

English-language interview with Shinji Higuchi, director of Hidden Fortress, translated into Japanese by Bryan Hartzheim.


APA: 監督は、オールマイティーに見えます 。映画監督だけではなく、画家、作家、アニメのストーリーボード、助監督。このように、色々なジャンルに挑戦しようと、前から思っていらっしゃいましたか?そして、このようにバラエティーに飛んだ仕事をお持ちであることは、一人のアーティストとしてどのような点で、役に立っていると思われますか?

SH: 基本的にどういう映画を作るかということを考える仕事としてはどれも同じなので、それほど自分の中で仕事の違いと言う点については、意識したことはなかった。

基本的に誰かに頼まれてその仕事を自分が引き受ける形が多かったので、自分としては、頼んだ人が喜ぶのが最高の幸せであった。今は、クライアントがオーディエンスになっただけで、仕事自体は何も変わっていないです。

APA: 日本のすべての監督は、黒沢明監督に何らかの形で、影響を受けていると思いますが、樋口監督にとって、黒沢映画は、個人として、また、プロとして、どのような意味を持っていますか?

SH: パーソナルな意味では、子供のころ怪獣が出てくる映画を見て育った。スターワーズも含めたところで、この世にないものを見るのが面白い映画だと思っていた。ところが、「天国と地獄」という映画を中学生の時見た。全く日常の延長上の人間たちの物語なのに面白かった。それを見たときに後で気が付いたのだが、初めて映画を知ったというか、映画をみた。自分にとって父親のような存在です黒沢監督の映画は。

APA: すでに、オンライン上で何人かのコメンテーターが、黒沢映画のリメイクに関して非難していますが。映画の作成中や作成後にどのようなプレッシャーを感じられましたか?受けられた色々な非難に対してのコメントはありますか?

SH: あまり考えていません。批評家の批判より観客の批判です。映画に対してあまり興味のない人たちが喜んでくれる映画を作り続けたいと思います。日本の場合、大ヒットする映画の観客の80パーセントが年に1回か2回しか映画を見ないという人です。私が相手にしたい観客は、80パーセントの人に向けた映画をつくらないと、ブロックバスターの映画にならない。インターネットで流れている黒沢明の原理主義者的な意見は、自分の興味からはなれているので、何を言われても興味がない。

APA: 「なぜ人間は幸せになれないのか、なぜ人間は皆一緒に幸せになれないのかって言うことを映画の中で追求していきたい。」って、黒澤監督が以前おっしゃったことがあるんですけれど、樋口監督はなぜ、この「隠し砦の三悪人」のリメイクに取り組もうと思われたのですか?

SH: 今の知っている黒沢監督の言葉というのはおそらく「乱」(1985)という映画の時の発言だと思います。相当な年齢に達して、監督としては、戦争がなくならない世の中に絶望していたときだったと思います。「隠しとりでの3悪人」を作ったときの黒沢監督のコメントは、今の発言とは全く逆で、難しいことを考えずに見終わったときにスカッと面白い映画を作りたいというのが、この映画を作るときの黒沢監督の願いだったのです。私は、その言葉に一番インスパイヤされました。私の映画をつくる上で、一番意識したことは、ストーリーやドラマを真似するのではなく、そのスタンスというか姿勢を真似しようと。同様に、スターワーズのジョージルーカス監督も同じような発言を残しているので、映画の歴史を考えたとき、シリアスな映画が増えたときに、そのカウンターというかシリアスな映画じゃなく、より娯楽性の高い映画をつくろうという気持ちに私もなりました。

APA:  モダンなエンターテイメントを作ろうとしたことですか。

SH: 映画そのものをリメイクするということよりも、映画そのものが持っている、その映画を作ることによって、今の日本の映画ではほとんど作られなくなった冒険活劇、アドベンチャームビーを我々の手で作ることが出来る願ってもないチャンスだと思って作った。自分の中では、黒沢明の映画を作り直すことよりも、アドベンチャームービーを作ることの方がモチベーションとしては大きかった。

個人的にはすごくとまどったのですが、「隠しとりでの3悪人」という物語の根本にある、敵に狙われているお姫様がいて、それを泥棒のような悪者たちが、それを利用している。しかも、身分もまったく違う2つのグループが共同して何かをしていかなくちゃならない。そういった物語を考えていくと日本のある有名なアニメーション映画が思いついた。そう言ったスタイルの映画を我々は生身の俳優を使ってとることが出来と思ったときに、明らかに、自分たちの映画としてつくれると気が付いた。

APA: この映画は、まだ、日本では上映されていないのに、ここLosで試写会を先にされたのは、どのようなお考えからですか?

SH: 話題になるからです。(笑)そのなかで、USCを選んだのは、一般の人たちに見せることよりも、私や松本が、映画を学んでいる若い人たちと一緒に話がしたいという思いはありました。一般の人より映画に対する一番情熱を持っている人たちだと思う。何よりも私が直接影響をうけた素晴らしい先輩たちを生んだ学校だから。何よりも、私がスーベニヤショップでT-シャツを買いたい。()

APA: これからに関してですが、ここアメリカでは、GainaxからのEvangelionを待っています。このフィルムに対してどのように関わっていかれる予定ですか? そして、次の3本の映画に関してどのようなことを期待できるかお話していただけますか?

SH: 次のプロジェクトは、あまり多くは話せませんが、明らかに違うものになると思います。

APA: 最後の質問です。Evaのシンジは、監督の名前からとったそうですね。これに関して何かストーリーはありますか? 

SH: 庵野英明監督の嫌がらせだと思います。彼はあの映画の中でさまざまな屈辱を受けている。He told me, “Baka Shinji.” (笑)“But, why Shinji?  Why me??”

APA: お忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。 これからの益々のご活躍を期待しています。